ペルーサ|天皇賞秋2015年

ペルーサ、悲願達成なるか!藤沢和雄【頑張ってくれると思う】

ペルーサが、4度目の天皇賞・秋に挑む。前走の札幌日経オープンで、5年3か月ぶりの勝利。長いスランプを経ての8歳馬の復活劇は、ファンを大いに喜ばせた。10年2着、11年3着と、秋の天皇盾にあと一歩と迫った実力馬の悲願達成は成るか。藤沢和調教師に聞いた。(椎名 竜大)

―1週前、今週と調教の気配はいいですね。

「気分良く走っているね。喉鳴りの手術で長期休養(12年6月~14年2月)する以前から、後肢が前の蹄(てい)球に当たったりして、走るのを加減していた。鉄橋蹄鉄(注)にしてみたり、いろいろと工夫して、ようやく走れるようになってきた」

―少しずつ力を出せるようになって、札幌日経オープン(1着)につながったわけですね。

「6月のエプソムC(6着)あたりから、状態は良くなっていた。次の巴賞も6着だったけど、(騎乗した)四位君は『次は走るよ』って言っていたんだ。調教が良かったし、久しぶりにいい時のペルーサだと期待していた。逃げるとは考えていなかったが、2コーナーからビュッと行ったもんな」

―逃げてレコード勝ちと、8歳にして目覚めた印象もあります。

「長い間、競馬をしてきたので、走るのに飽きてしまうところがある。だから、飽きさせないように調教を工夫してきた。いつも、けいこで走らなかったが、夏あたりから真面目に動くようになってきたよね」

―その後は前哨戦を使わず、ここに備えました。「ようやく軌道に乗ってきたところだったので、オーナー(山本英俊氏)に言って、ここ一本にしてもらった。賞金が足りるかという心配はあったけど、幸い順番が回ってきた(出走馬決定順18位で出走可能に)からね」

―運を味方につけたいですね。天皇賞・秋は10年が2着、11年が3着、昨年は16着でした。意気込みのほどをお願いします。

「東京の2000メートルは得意。長年やっていて、引退させてもらえないので頑張ってくれると思うよ(笑い)。なかなか勝てなかったけど、長い間皆さんに迷惑をかける気もないので、応援してください」

(注)鉄片を橋のように横に渡した蹄鉄。後肢の踏み込みが大きい馬に対して、蹄底を保護する効果がある。かつて五冠馬シンザンが履いた“シンザン鉄”もこの一種。

 

ペルーサ

今週の日曜東京メーンは天皇賞・秋(G1、芝2000メートル、11月1日)が行われる。

ペルーサ(牡8、藤沢和)もスピルバーグ同様、27日は坂路を1本駆け上がった。8歳馬とは思えない軽快な動きで、藤沢和師は「強い世代の生き残りだからね」と語った。ブエナビスタなどと戦った古参が、前走の札幌日経オープンで5年3カ月ぶりに勝ち、レコードのおまけまで付いた。師は「ゲートを出なかったり、2度ノドを手術したり、長いこといろんなことがあった馬。豊富なキャリアを生かして頑張ってほしい」と話した。

 

【天皇賞・秋(11月1日=日曜、東京芝2000メートル)注目馬22日1週前追い切り:美浦】ペルーサは南芝コースで柴山を背に3頭併せ。ラストは抑えきれないほどの手応えで2頭にクビ差先着した(4ハロン53・9―12・1秒)。

柴山騎手「ヤル気満々だったけど、以前のようにカーッとなることはなかった。体の使い方とかに年齢的なものは全然感じない」

 

ブエナビスタに差しで追い込んできた

2010年の天皇賞(秋)が思い出